消防設備士の甲種1類でできる仕事とは?消火栓・スプリンクラー工事の役割

消防設備士の甲種1類は、消火栓やスプリンクラーなど、第1類に該当する設備の工事・整備・点検を担当できる資格です。乙種1類で行える整備・点検に加え、設備を新たに設けたり、既設の機器を増やしたり、設置位置を変えたりする工事へ仕事を広げられます。


消火設備の工事には、機器の設置だけでなく、設備が消火する仕組みの理解や、図面・試験結果を伴う確認も関係します。対象設備と現場での役割を知ると、甲種1類を取得した後に学ぶ仕事の内容が具体的になります。




甲種1類は消火栓・スプリンクラーなどの工事を担当できる

第1類の対象には、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備のほか、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備などが含まれます。対象として挙げられる設備は次のとおりです。


  • 屋内消火栓設備
  • スプリンクラー設備
  • 水噴霧消火設備
  • 屋外消火栓設備
  • パッケージ型消火設備
  • パッケージ型自動消火設備
  • 共同住宅用スプリンクラー設備


自動火災報知設備は第4類の対象です。同じ建物に設置されている消防設備でも、消火栓やスプリンクラーと、自動火災報知設備では対応する免状の類が異なります。甲種1類の免状で担当できる消防設備の業務は、第1類の対象設備に対応するものです。


参照:消防設備士の類ごとの対象設備


甲種1類と乙種1類は、対象設備の類が同じでも、担当できる業務に違いがあります。甲種は工事・整備・点検、乙種は整備・点検を行えます。第1類の設備について、整備・点検から設置や変更の工事へ仕事を広げたい人に関係するのが甲種1類です。


参照:甲種と乙種で担当できる業務


資格によって担当できる仕事の違いを知りたい方へ。


消防設備士の甲種と乙種の違いを詳しく見る




消火栓は人が放水し、熱に反応するスプリンクラーは自動で散水する

屋内消火栓は、箱の中にあるホースを伸ばし、バルブを開いて放水する設備です。消火用ポンプから送られる水を使い、人がホースで火元へ放水します。箱やホースだけを見るより、ポンプから水が送られてくる設備として捉えると、各機器の役割が分かります。


熱に反応するヘッドを使うスプリンクラー設備は、天井に設置されたヘッドから自動で散水します。火災の熱に反応したヘッドから水が出るため、屋内消火栓のように人がホースを持って放水する仕組みとは異なります。


どちらも水を使う設備ですが、スプリンクラーで消火するには、燃えている物まで水が届くことが必要です。ヘッドの周りに物があると、散水の障害になります。ヘッドを設置したり位置を変えたりする仕事では、機器の位置に加え、水が届く先や周囲の物との関係を理解する必要があります。


参照:消火栓とスプリンクラーの仕組み




工事には新設だけでなく増設・移設・取替えもある

既設の第1類の設備へ機器を付け加えたり、機器の位置を変えたりする工事も、甲種1類で関わる仕事です。設備を新しく設ける工事と、既設の機器を変更する工事では、現場で扱う内容が変わります。


新設は、その建物に従来設けられていなかった消防用設備等を新たに設ける工事です。これに対して増設は、すでに設置されている設備へ構成機器や装置などを付け加える工事を指します。設備を新たに設けることと、既設設備の一部を増やすことを区別する呼び方です。


移設は、既設の構成機器などの設置位置を変える工事です。スプリンクラーヘッドや消火栓箱の移設も、この工事の具体例に当たります。設備全体を新しくする仕事だけでなく、既設機器の位置を変える仕事も、消防設備工事の一つです。


取替えは、既設機器などを、同等の種類・機能・性能を持つものへ交換する工事です。機器を増やす増設、場所を変える移設とは異なり、既設機器を同等のものへ入れ替える内容になります。


参照:消防設備の新設・増設・移設の区分




工事では図面・試験結果と着工届・設置届も関係する

着工届と設置届には、工事の内容を示す図面や試験結果などが関係します。ここでは東京消防庁管内の手続きを例に、工事前と設置後の違いを説明します。必要な資料や届出・検査の扱いは、工事内容などによって変わります。


着工届の届出者は、その工事を担当する甲種消防設備士です。添付する資料には平面図、設備種別に応じた配管系統図、計算書などがあります。平面図で設備の配置、配管系統図で配管のつながりを示すように、機器を取り付ける場所だけでなく、設備全体の構成を図面で扱うことも仕事に関わります。


参照:工事前の届出と必要な図面


設置後の設置届には、図面に加えて消防用設備等試験結果報告書などを添付します。設備をどのように設けたかを示す図面と、試験の結果を示す報告書の両方が関係するため、機器を設置した状態だけで工事の内容を捉えると、完成後の確認に必要な仕事を見落とします。


設置届の届出者は、設備を設置した関係者です。建物の所有者やテナントの占有者など、誰が関係者に当たるかは状況に応じて変わり、工事をする消防設備業者がそのまま届出者になるわけではありません。工事担当の甲種消防設備士が届出者となる着工届とは、届出者の立場が異なります。


設置届出後は原則として消防署の検査を受けますが、届出内容によって検査が省略されることもあります。図面や試験結果を用いて設備の状態を示し、必要な検査を受けるところまでが、設置後の手続きです。図面を読み、試験結果を理解することも、消防設備工事の仕事を学ぶうえで必要です。


参照:設置後の届出と試験結果




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