消防設備士の甲種試験は、乙種免状の交付後に対象設備の整備を2年以上経験した人や、受験する類の設備の工事補助を5年以上経験した人が受験できます。実務経験として問われるのは、会社に勤めた年数ではなく、条件に合う仕事を担当した期間です。
免状を使う受験ルートもあります。ここでは甲種特類を除き、経験の対象、起算日、転職前の経験の合算、証明書の記載内容を説明します。
甲種の受験資格には実務経験以外のルートもある
乙種消防設備士の試験には受験資格の制限がなく、現場で働いた経験がない人も受験できます。これから消防設備の仕事に入る人も、実務経験を積む前に乙種試験へ挑戦できます。
甲種には受験資格がありますが、実務経験以外にも免状を使うルートがあります。第一種・第二種電気工事士の免状を持っている人や、受験する類とは別の甲種消防設備士の免状を持っている人は、その免状を受験資格として使えます。電気工事士のルートで必要なのは免状の交付であり、試験に合格しただけの段階とは区別されます。
参照:甲種の受験条件
すでに該当する免状を持っていれば、実務経験の2年・5年を待つ方法以外で甲種を目指せます。資格ごとの役割から知りたい方は、消防設備士の甲種と乙種の違いもあわせてご覧ください。
実務経験には整備2年以上と工事補助5年以上のルートがある

整備の経験を使うルートでは、乙種消防設備士の免状が交付された後に、対象設備の整備を2年以上経験していることが必要です。対象は、消防法17条の5に基づく政令で定められた「工事整備対象設備等」です。乙種免状を2年間持っているだけでは足りず、その間の対象業務の経験が必要になります。
工事補助のルートで求められるのは、受験する類に関係する消防用設備等の工事を補助した経験5年以上です。こちらは乙種免状の交付後の整備経験を使うルートとは、仕事の内容も必要な年数も異なります。
参照:甲種の受験条件
工事補助を証明するときには、扱った設備の種類も記載します。「消防設備の仕事を5年経験した」という説明だけでは、受験する類に対応する設備の工事補助だったかが伝わりません。点検に従事した期間についても、点検という呼び方だけで整備経験へ算入せず、実際に担当した業務と対象設備を具体的に示す必要があります。
参照:実務経験証明書の記入項目
実際の消防設備の仕事を知りたい方へ。
経験期間は従事開始日と免状交付日を基準に数える

5年の起算日は、受験する類に該当する設備の実務に従事した日です。入社した日と、その設備の工事補助を始めた日が違うなら、実際に工事補助を始めた日から経験期間を数えます。
転職前に積んだ経験も、勤務先ごとに実務経験の証明が取れれば合算できます。1社だけで5年間働くことが条件ではありません。ただし、合算するのは受験する類に関係する工事補助の経験であり、各社の在籍期間をそのまま足す計算ではありません。
参照:実務経験期間の数え方
整備の2年は、乙種免状の交付後の対象経験を数えます。免状が交付される前から消防設備会社に勤めていても、交付前の期間はこの2年に含めません。工事補助では実務に従事した日、乙種免状を使う整備経験では免状交付後の期間が基準となるため、両者を同じ入社日から計算すると必要な期間を取り違えます。
参照:実務経験証明書の記入項目
実務経験証明書には業務・期間・設備の種類を記載する

実務経験を使って甲種を受験するときの証明書類は、実務経験証明書です。受験願書B面の様式に、受験資格の根拠となる仕事の内容と期間を記載します。資格名や勤続年数だけでなく、どの設備の整備・工事補助に従事したのかを証明する書類です。
証明書には、経験した本人、業務、期間、設備、証明する事業所の情報を記載します。主な項目は次のとおりです。
- 本人の氏名と生年月日
- 経験内容の区分(整備経験・工事補助経験など)
- 実務経験の開始日・終了日と年月数
- 実務を行った消防用設備等の具体的な名称
- 証明年月日と事業所名
- 証明者の役職・氏名・電話番号
設備の種類は「消防設備」とひとまとめにせず、実際に扱った名称を書きます。工事補助の経験で甲種第1類を受験する場合なら、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備といった名称です。これにより、経験した工事と受験する類との対応が分かります。
必要な内容が記載されていれば、証明書は別の様式でも作成できます。ただし、様式が自由でも経験内容や期間などの証明は必要です。事業所と証明者の情報まで揃えて、どこで、どの仕事を、いつからいつまで経験したかを示します。
参照:実務経験証明書の記入項目
過去の勤務先の証明が必要なら、担当した設備名と従事期間を伝えて証明を依頼します。担当業務が整備・工事補助のどちらに当たるか判断できないときは、その業務内容、設備名、期間を揃え、受験予定の都道府県の申請先へ確認するのが具体的な進め方です。
未経験からはアシスタントとして消防設備の仕事に入る
当社は、消防用設備の保守点検に加え、設計・施工・販売を行っています。点検で設備の状態を調べ、不具合に対して修繕を行うなど、設置後の消防設備を維持する仕事も扱っています。
未経験者も募集しており、入社後はアシスタントから始めます。経験豊富な先輩の指導を受け、消防設備の点検・保守に関わりながら技能を身につけていく流れです。
資格取得にかかる費用は会社が負担します。現在の募集職種は「消防用設備点検スタッフ」と「電気設備工事スタッフ」です。
当社での働き方や資格取得支援を知りたい方へ。

