皆さん、こんにちは。東京都江戸川区を拠点に、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県で消防設備保守点検や改修工事、各種定期検査を手掛けている株式会社アイテールです。
「消防設備士は安定している」という話は、転職を考えたことがある人なら一度は目にしたことがあると思います。
ただ、なぜ安定しているのかを説明できる人は、意外と多くありません。景気がいいからでも、人気があるからでもない。答えはもっと単純で、法律と建物の老朽化がセットになって、仕事が生まれ続ける構造になっているからです。
将来性についてはAI時代でも生き残る理由をまとめた記事でも触れましたが、今回は角度を変えて、そもそも仕事がどこから発生しているのかという「仕組み」の話をします。
【目次】
- 前提:消防設備の点検は「やりたい人がやる」ものではない
- 本題:点検は「次の工事」を生む
- 追い風になっている3つの事情
- それでも人が足りない。だから未経験の募集が多い
- ただし「安定する人」と「しない人」がいる
- 10年後も仕事があるかは、どこで経験を積むかで変わる
■前提:消防設備の点検は「やりたい人がやる」ものではない

・建物の所有者には、点検と報告の義務がある
消防法では、建物の関係者に対して消防用設備等を定期的に点検し、その結果を消防機関へ報告することが義務づけられています。
点検は2種類。外観や簡単な操作で確認する機器点検が6か月に1回、実際に設備を動かして機能を確かめる総合点検が1年に1回です。報告のほうは、店舗やホテル、病院といった不特定多数が出入りする特定防火対象物で1年に1回、工場や事務所、マンションなどの非特定防火対象物では3年に1回と決められています。
さらに、延べ面積1,000平方メートル以上の建物などでは、有資格者による点検でなければ認められません。建物の持ち主が自分で済ませられる範囲を超えているということです。
[H3・報告しなければ罰則がある
この報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合には、30万円以下の罰金または拘留という罰則が定められています。「今年は予算がないから点検はやめておこう」が通らない世界です。
・つまり、建物が建っている限り発注が消えない
ここが他の業種と決定的に違う点です。新築の着工数が落ちても、すでに建っている建物の点検義務はなくなりません。むしろ建物は毎年増えていくので、点検すべき対象物の総数は積み上がっていきます。
景気を眺めながら仕事量が上下する業界ではなく、法律が仕事の下支えをしている業界。これが「安定している」と言われる一番の理由です。
■本題:点検は「次の工事」を生む

・点検結果は3つに分かれる
点検をすると、設備ごとに判定が出ます。問題なければ良好。すぐに直す必要はないが注意が必要なもの、そして基準を満たしておらず是正が必要なもの。
このうち「要是正」が出た設備は、放っておくわけにいきません。報告書に不備として残り、建物の所有者は改善を求められます。
・直さなければ、話が終わらない
感知器が反応しない。ポンプが起動しない。配管から漏れている。受信機の部品がもう手に入らない。
こうした指摘が出れば、次に必要になるのは点検ではなく工事です。見積を出し、部材を手配し、施工して、また正常な状態に戻す。点検が不備を見つけ、その不備が工事を呼ぶという流れが、この業界の中では毎日どこかで起きています。
・そして、直した設備はまた点検の対象になる
改修した設備も、当然ながら翌期からは点検対象です。点検が工事を生み、工事した設備がまた点検を生む。円を描くように仕事が続いていくのが、消防設備という分野の特徴です。
一度取引が始まった建物と長く付き合っていく形になるため、飛び込みで営業を続けなければ仕事がない、という構造でもありません。
■追い風になっている3つの事情

・建物と設備が更新時期に入っている
受信機にもポンプにも配管にも寿命があります。設置から20年、30年が経った設備は、部品の供給が終わっていたり、基準に合わなくなっていたりする。
高度成長期からバブル期にかけて建てられた建物のストックは膨大で、その多くが今、設備を入れ替える時期に差しかかっています。点検で指摘が出やすい建物が増えているということは、それだけ工事の出番も増えるということです。
・基準の見直しがあるたびに需要が出る
火災の事例を受けて基準が見直されると、既存の建物にも改修が求められることがあります。制度が動くたびに一定の工事需要が発生する、という側面も持っています。
・首都圏は、対象となる建物の数がとにかく多い
点検も工事も、建物があるところにしか仕事はありません。東京・神奈川・千葉・埼玉は、オフィスビル、商業施設、マンション、病院、飲食店が集中しているエリアです。
移動距離が短く、1日に回れる件数も多い。働く場所として見たときに、首都圏は消防設備の仕事量が安定しやすい土地だと言えます。
■それでも人が足りない。だから未経験の募集が多い
・職人の高齢化と、業界の知名度の低さ
仕事は増えているのに、担い手が追いついていない。ベテランの世代が引退の時期にさしかかっている一方で、若い人が入ってこない。理由のひとつは単純で、この仕事があること自体が知られていないからです。
電気工事士や大工と違い、子どもの頃に見かける職業ではありません。だからこそ、各社が未経験者の採用に力を入れています。
・「未経験歓迎=人が辞める会社」とは限らない
とはいえ、未経験歓迎の求人がすべて健全かというと、そこは別の話です。仕事が増えていて採用しているのか、辞めた人の穴を埋めているのか。この2つは求人票の文面からは見分けがつきません。
- 社員の平均在籍年数はどれくらいか
- 直近で入った未経験者は今どうしているか
- 甲種を持っている社員は何人いるか
- 資格取得の費用は会社が負担するのか
面接でこのあたりを聞けば、かなり見えてきます。何を尋ねればいいか迷う場合は、優良企業を見抜く質問リストにまとめてあります。
■ただし「安定する人」と「しない人」がいる

・点検だけで止まる人
厳しい言い方になりますが、点検の作業だけを何年やっても、任される範囲はそれほど広がりません。決められた手順で確認して報告書を作る。大事な仕事である一方、代わりが利きやすい仕事でもあります。
・工事まで踏み込める人
一方で、不具合の原因を説明できて、改修の見積が組めて、着工届が出せて、消防と話ができる。ここまで来ると、会社にとって簡単には代えのきかない存在になります。
安定とは、資格の枚数ではなく「任される範囲」で決まるものです。どの資格から取るべきかについては、稼げる資格の優先順位で整理しています。
■10年後も仕事があるかは、どこで経験を積むかで変わる
業界そのものに仕事があることと、自分に仕事があることは、必ずしもイコールではありません。点検専門の会社に長くいれば、工事の経験を積む機会はどうしても限られます。
アイテールは東京都江戸川区を拠点に、東京・神奈川・千葉・埼玉で消防設備の保守点検を主体としながら、改修工事も手がけています。未経験の方は点検の同行から始め、慣れてきたら工事の現場にも段階的に入っていく。点検で見つけた不具合を、自分たちの手で直すところまで経験できる環境です。
『自分らしく』働けることを大切にしていて、働き方にも柔軟さを持たせています。
消防設備の仕事が安定しているのは、法律で点検が義務づけられ、その点検が次の工事を呼ぶからです。ただ、その安定を自分のものにできるかどうかは、工事まで任される場所にいるかで変わってきます。
今すぐ決めなくて大丈夫です。まずは条件だけ確かめてみてください。
どんな人が働いているのかを知ってから考えたい、という方はこちらから。

